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道は誰のもの

最近、テレビの番組でこれといて見るものが無いので

BSプレミアムを見ることが増えた

今週は北欧特集をやっていてついつい見てしまう

特に印象に残ったのは デンマークの オーデンセ

首都のコペンハーゲンの西隣の島にあって人口約14万人  

日本なら一地方都市に過ぎないが

愛知県の人口より少ないデンマークでは

3番目の都市らしいが アンデルセンの故郷といったほうがわかりやすい

街の中心部といっても大きな近代的なビルはない

レンガ造りの市庁舎と教会あたりらしいが

あまり人通りも多くない

しかし、通りを進んでひょいとみると 人だかりの多い中庭があり

そこから路地がつながり、別の通りに出てくるという構成で

車がバンバン走っているメインストリートは見当たらないようだ


なんて素敵な街なんでしょう

これぞ 「人間のための街路」 そのもの

バーナード ルドフスキーの このタイトルの本は

車社会のアメリカを批判し、イタリアの都市が

人々にとって社交場であり、アウトドアリビングであり

人間のためにあるかを訴えている名著だが

ヨーロッパには21世紀でもまだこんな街が存在し、

今だ人々を魅了していることが驚き!!


名古屋の姉妹都市のひとつはロスアンジェルスだが

まさに車のための街

車のための街は やがて大型スーパーマーケットの町となり

高齢者がどんどんはじき出される

商店街はないし、公設市場もなくなっているし

都市部での買い物難民も増加中

少し先の自分を思うと  怪談物を見るように ぞっとする。



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奥の深い 箪笥

タイムスクープハンターというNHKの番組が終了した

この番組、初めて見たのは 深夜に近い時間帯で

何かの ドキュメンタリー かと思った

というのは時代劇のようなのに 衣装 や かつら が やけにリアルで

とてもドラマとは思えなかった

時間や曜日も不定期で 偶然見た  という状況だったと記憶している

そのうち人気が出てきたのか

定期的な時間帯の番組になったが

それも最近終ってしまった。


江戸時代やそれ以前のもの、明治時代のものなどいろいろあったが

その頃の日本と日本人の生活が 分かるような気がした

出演者も無名な俳優らしいが

地毛で髷をゆったり、頭部に剃りをいれたり

衣装もぼろぼろで 子供なんか裸に近いような格好だった

この時代の庶民は 着たきりすずめだったらしいが 納得


家具の研究家を呼んで講演してもらう企画があったとき

その人の著書の 箪笥 という本がとても面白かった

箪笥の歴史について書かれているのだが

一言に箪笥といっても奥が深く、始まりは船箪笥 だったらしい


現代の人は服がたくさんあるから 箪笥は当たり前だが

江戸時代は何しろ着たきりなので箪笥に入れる着物がない

せいぜい1,2枚なので 盆といわれる箱状のもので充分だった

だんだん贅沢になって着物の枚数が増えると

それを重ねて収納する必然性がでて 何枚も盆が必要になり

現在の箪笥のように 積み重ね式になったらしい

和箪笥を思い浮かべてみると分かりやすいが 一部に開き戸がついて

中を開けると 何枚ものお盆が入っている形式になっている


たかが箪笥だけれど

その奥に歴史と文化と産業と  人間の生活が見えて面白い 

解体現場で想うこと

健康のためと節約のために始めた自転車通勤は

その目的を達成しているかどうかは不明だが

思いがけない出会いがあって、それなりに楽しい



ツーん と 鼻に突き刺さるような臭いにつられて

思わず 立ち止まると 昭和3,40年代の木造長屋を解体していた

その強烈な臭いは 土壁 であった

時間がたたつと土壁ってこんなにも発酵するのかと驚いた 


知っている者なら懐かしいかもしれないが 知らないと 

異臭としかおもえない  



内部を覗き込むと 筋交いらしきものは見当たらなかった

外観はそれほど痛んでいるようには思えなかったが

解体しているところを目の当たりにすると

そのもろさに 胸が痛くなる

この時代の木造建築なら当たり前の工法が

4,50年程度で こんなにも無残になるとは・・・


最近、この時代を知らない若い人たちにとって

古い住宅をリフォームして住むことや

古民家を改修したカフェなど ちょっとしたブームになっている

ビニールクロスや新建材で囲まれた

ぺらっとした 厚みも重みもない住宅で育ったせいか

ナチュラルな素材のもの、職人の手を感じるものが

新鮮らしい

私たちの親の世代は

昔のものを否定し、より新しいものがすばらしいと 追いかけた結果

随分、大事なものもなくしてきたが

そういう実感がない世代が

動物的な感性なのか  古いものに憧れ、 大事にすることは

考えようによっては まんざら捨てたものではない

それら両方を知る私たちは

耐震性の問題など  不安を感じないわけではないが

古いものを残すべきか

正直なところ建替えた方が賢明なのか

そういう現場に出会うと

悩ましい

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