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山の際に建てる家

広島の土砂災害には多くのボランティアが参加して

土砂を取り除くお手伝いをしているようで 頭が下がります

最近、このことをよく考えますが もし自分がこういう場所で設計の依頼を受けたら

どうするのかな ということを

実は私たちの事務所は傾斜地住宅の実例が多く ネットでもヒットするようです

その中でも最大級にハードだったのは 東山植物園に隣接している住宅です

斜度が30度近くあり 名古屋市の急傾斜危険地域に指定されています

この計画の時、何度も市役所の宅地造成規制の担当者のところに通いました

今思えばその担当者の言っていることは全く正しいのですが

その当時は 横暴ではないかと 喧嘩しました

まず、 こんな急傾斜地に家を建てるな  から始まり

こういう場所にはマンションなどコンクリートのがっしりしたものにせよ・・・

住宅でも 最低 コンクリートにせよ  とのこと

それから 山側には開口部をつけるな 土砂が入るから・・・

それはごもっともです

しかしそこに土地を所有していて 全部をコンクリートにするだけの予算がないから

困っているのです

土に接する部分は 当然のごとく コンクリートにしますが

上部で 土と縁のない部分は 木造にしたほうが 安価に収まるので

構造と、デザインと 役所の間を取りまとめながら・・・・ はっ 今思い出しても

ため息ばかりです

この時 いわゆるボーリング調査だけでなく 3軸圧縮試験という

土の滑り方を検討する調査もし、莫大な費用を使いました


しかし、 今になって思うに きちんとしていてよかったなー

雨のひどい時でも 枕を高くして寝られます

よくケンカをした名古屋市の担当者に 今では本当に感謝しています

今回の土砂災害の悲惨な現場を見て

広島市も少し名古屋市を見習っておけばよかったのにと思う次第です

住民がハザードマップの存在を知らず、ましてや その危険エリアの中にあることを知らないとは

一体誰に文句を言えばいいのでしょうか?

この東山植物園の山裾にある住宅の設計をするとき

周りにどんな物が建っているか 当然調べました

マンションも多いけれど 木造住宅も結構ありました

その時は なんで自分たちばかり うるさく言われるのか 不審でしたが

ちょうどそのころ 国土交通省から 見直しの通達があり

厳しくなった 第1号でした (もう15年くらい前ですが)

国からの通達があっても それを実行するかどうかは そのエリアの

行政の指導にかかっているので 場所による温度差があるのでしょう

しかし 昨今の 異常気象は もう異常ではなく

地球温暖化などの影響によるもので 水準を変えるしかないところまで来ました

設計者はもちろん、 家を建てる人々も そのあたりを 考え直す時期にきたようです  
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災害について

広島の土砂災害は他人事は思えません

私が広島県出身ということをご存知の方から 心配の言葉をいただきましたが

私の故郷は福山市で岡山県に隣接したところです

でもおなじ中国山地を北方に抱えているという点では同じです

座右の書のひとつの 高等学校の地図帳で調べてみると

広島県の西側は山口県に向かって先細りになっており

山脈がぐっと海寄りに曲がり広島市のすぐ北西を覆っていることがわかりました

広島県の中央あたりから東側は岡山県も含め海岸線と山脈の間がかなり離れています

改めて地図で確認してわかりました

この地図帳は子供のお下がりですが、使いようによってはとっても便利です

ネットの地図は詳細が分かりますが 大きく俯瞰した地形はわかりにくい

何しろ座右の書物ですからいつもテレビのそばにおいてあり

ニュースで知らない地名が出ると 気になるので調べています

アナログ人間ですから

同じ県人として 何かしなければなりませんが、今はどうしていいかわかりません

改めて故郷の福山という場所が いかにいい位置にあるかを再認識しました

今回の大雨のころ お盆の最終週末に里帰りをして 友人と会いました

それによると最近の台風も含め福山はほとんど雨が降らなかったようです

昔から大きな台風の被害にあったこともなく 平和ボケしている地域だと

よくからかわれますが

瀬戸内海のほぼ中央に位置し 豊後水道からも 紀伊水道からも

どちらから暴風に襲われても影響が少ないようです

正面の四国もしっかりガードしてくれていますので

とは言え 今後こういうことはどこででも起こりうると何度も警告しています

設計者として これまで以上に 注意するポイントが増えます

土砂災害のあった当日 8月20日ですが ちょうど地盤の講習を受けました

地盤の性質を知ることは耐震性だけでなく 家を建てる場合の基本です

不動産や行政は 土地の価格に影響するとかで情報を伏せている場合が多々ありましたが

これからは消費者も もっと真剣に考えなければなりません

土地の情報が分かっていれば対策もたてられますが

今回の広島の安佐南区あたりでは ハザードマップがあって

自分の家がその中に位置しているのにもかかわらず

周知されていないことに驚くと同時に 憤懣やり方ない気持ちでいっぱいになりました



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