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歴史的遺産の見直し

先日1年ぶりに上京した

たまにはお江戸に上がって首都の空気を吸わないと

家と職場の往復では肉体的にも精神的にもひきこもってしまう

今回、 所属する建築関係の会での講演会に興味があったのでこれはと飛びついた

講師は「イタリアの、特にベネチアの研究で知られる先生で、「歴史を踏まえた水都の再生と創造」

という魅力的なテーマで 欧米都市と東京の水辺空間を比較してのお話だった

近年、富岡製糸場など歴史的遺産の見直しがちょっとしたブームであるが

欧米の魅力的な都市と比べて著しく劣っているのは 街並みというか

都市計画ではないかと思う

倉敷など小規模の地方都市では そういった遺産をうまく活用した例があるが

大都会は交通網などのインフラや土地活用としてのビルの高層化などで 

ずたずたにされている印象が強い・・・  話に戻ると

ベネチア、ロンドン、ハンブルグ、ニューヨーク、ボストンなどの

川辺や海岸の再生が多く紹介された

かつては 船による物資の輸送が主であったので 川沿いには倉庫を兼ねた建物が連なっていたが

トラック輸送が主流になると郊外に大規模物流センターができ

川や運河はその役目を終えた

うまくいっている街はそれらの遺産を文化や観光などに転用しているとのことであるが

確かに、倉敷の美観地区は川の周辺に蔵がたくさんあって、そのまま生かされている

この近辺では半田の運河にもきれいな倉庫群が残っている

伊勢の河崎という町も再生が進んで人気になっている・・・ などなど

東京は江戸時代に造られた都市計画がベースになっているが

多くの運河は埋め立てられそのまま道路になったり、上部を高速道路が走ったりしている

近年、日本橋の上を走る道路が論議の的になったり、神田川の水辺を再生したり など

盛んに議論されているが 成果には先が長いようだ

それでも 外堀の水上コンサートやカフェなど 魅力的な活動もないではない


翌日 講演会でも紹介されていた 万世橋に 出かけた

これは明治時代、中央線のお茶の水と神田の間に実際にあった駅で

その後、付近に別の駅ができて役目を終えていたが

橋架の遺構を利用して JRが えきなか として再生して 話題になっている

おしゃれなカフェやショップがあり とても楽しい場所である

今回、ここに行こうと一番興味を持ったのは 建築的な興味よりも

「万世橋のわきを流れる外堀は臭くてたまったものではない」 との一言だった

映像は見れるが臭いは体験するしかかないし、

その実体験は 何よりも説得力があると 感じた

そして、その通り 緑色に濁った運河は 最近経験のないような悪臭であった

正直怖いもの見たさであったが それを差し引いても魅力を感じたのは

この現代の東京のど真ん中にまだ明治の香りのする遺構があり

それが再生されたという事実かもしれない



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