廃墟とは

昨年秋 長崎県端島 通称 軍艦島を見学した

所属団体の行事であったが 会費が高いにもかかわらず

大勢の参加であっという間に 予定に達し関係者は驚いた

ユネスコの世界遺産登録に申請中でちょっとしたブームであることも影響しているか?

なぜ いま こういう廃墟がブームになるんだろう と ある人に言われ

自分でもどうしてだろう と考えた

私はどちらかといえば 天邪鬼で ブームになるものには手を出さない傾向はある

たとえばこの春は北陸新幹線の開通で 大変な金沢ブームになっているが

こういう時は ちょっとはずして 落ち着いてからあるいは 別のところに と思う

そういえば

現在は解体されたが香港にあった九龍城砦あとのスラム街にも

大変興味があったし

イタリアの下町で 狭い道路に面した住宅の窓からロープを

反対側の建物に渡し、そこに洗濯物がまるで万国旗のように干されている光景も

興味深々である

ウイーンやパリに行った時も

有名なシェーンベル宮殿やヴェルサイユ宮殿には行かず

下町の路地やマーケットなど庶民の生活空間に出向いたりする傾向はある

ブランドショップよりも 地元の魚屋さんや八百屋さんを面白がって冷やかしたりもした


こういうことがひょっとして原因の一つかもしれないと思うことはある

人生の大半を過ぎ、若いころ親しんだ景色などに触れたいと思ったとき

そういう場所は ことごとくなくなっている

故郷に帰っても 子供のころに遊んだ場所やよく行った友達の家など

まったく面影がない

特に田圃の周りは 開発が進み 悲しくなるほど 思い出せない


軍艦島が閉山されたのは 昭和49年 ちょうど大学を卒業する年である

今回資料を調べたり、また実際にその場に行ったときに

昭和30年代から40年代の 自分にとっても子供の時代の光景が

多少朽ち果ててはいるものの そのまま残っている状況に不思議な思いが込み上げてきた 

九州や北海道の炭鉱の跡地はたまに映画のシーンで見かけたりするが

ここまで冷凍保存されたかのような 景色ではないと思う


一般的な廃墟ブームはいつごろからなんだろう

自分を振り返ってみると 藤森先生や赤瀬川源平らが始めた 路上観察学会に

触発されたと思う

まだバブルの余韻が残るころ 高度に洗練された ピカピカきらきらしたものに

ちょっと食傷気味になり 質感のある 素朴な手触りが 逆に新鮮に見えたころだろうか

それがもっと進んだ廃墟には 風雨にさらされてなお残っているものに

バブルの泡がなくなり 物事の本質が残ったかのような感覚があるのか

最近の 団地ブームも まさにその延長で

もう一度初心に戻っていろいろなことを考え直したらという啓示かもしれない



 
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